北信濃の野沢温泉村は、古くから出湯の里として、その名を全国に知られてきました。
温泉は弱アルカリ性硫黄泉で、糖尿病、痛風などに効くと言われ、多くの湯治客・観光客を集めています。
ここの温泉は、江戸時代から続く自治組織「野沢組」によって今日まで守られてきたという歴史を持っています。
「野沢組」は、温泉の源とも言えるブナの原生林の保護をはじめ、源泉から流れ出た温泉の管理、外湯と呼ばれる共同浴場の清掃など温泉に関わる様々な事柄に携わっています。
また、「野沢組」は村の人口の半分を超える2,000人余りの人達で構成され、毎年1月15日に行われる国の重要無形民俗文化財「道祖神祭り」の運営にもあたっています。
こうした「野沢組」のあり方は、その代表である「惣代」を指して「もう一人の村長」と言い表すこともできます。
野沢温泉村の「里山」に延々と続いてきた自治組織「野沢組」。
毎年3月は、そのトップを選ぶ「惣代選挙」の時です。
手を上げる人が少なくなってきたといわれる「惣代選挙」ですが、温泉を守っていく為には必要な「惣代」です。
「野沢組」は言わば「湯守」と言える存在であり、「地域の絆」であるとも言えます。
「道祖神祭り」、「惣代選挙」という「野沢組」の大きなイベントを紹介しながら、自治組織「野沢組」が地域で果たしている役割を見つめます。 |
|