長野県の最北端、人口約2500人の下水内郡栄村。
なかでも、新潟県と境を接し秘境ブームに乗る秋山郷は全国有数の豪雪地だ。
その秋山郷に暮らす福原さん一家は、順作さん(67)を“家長”に2世代、3人の孫も合わせて7人。
山村ならずとも珍しい大家族。
全校児童6人の秋山小学校の半数を兄弟が占め、5年生の長男・冴基君は児童会長。
厳冬期に除雪車を操り村中の雪を片付ける父親・清二さんを何より誇りに思っている。
福原家は米作りをしている。
プロ野球の選手を夢見て野球ばかりしていた冴基君は、今年なぜか苗の種まきから田植え、稲刈りまで進んで手伝った。
「親の背中を見て」自覚し始めた長男がそこにいた。
カメラは、記録的暖冬で一変した冬ごもり、いつになく早く訪れた春から夏、そして短い秋があっという間に過ぎ去り、冬の足音が迫るまで、日本の原風景、里山に暮らす7人家族の1年間を見つめた。
そこには、私たちが忘れかけている“一つ屋根の下で暮らす”生活が、ごく普通にあった。 |
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