TSBネイチャードキュメント 里山大回廊をゆく 第11集「木の声を聴く95歳」 2012年9月22日(土)午前9:30放送
その人の仕事場は、木曽川の流れを見下ろす川べりにある。

木曽福島町(現・木曽町福島)に生まれ育ち、中学卒業と同時に「木地師」という道を選んだ村地忠太郎さん・95歳。

あらゆる木の性質を知り尽くした職人の手にかかると、どんな材(ざい)でも彼の思うままに姿かたちを変えていく。

そのほとんどが、手先の感覚と道具だけの「手仕事」だ。

ヒノキとサワラの里・木曽谷で、木に触れ続けて一世紀近く。

忠太郎さんが憂えるのは、後継者の不在、漆器づくりの環境悪化、そして材を育んでくれる里山の荒廃だ。

番組では、木の里・木曽谷を舞台に長年にわたって紡がれてきた「人と木」の歴史と現在を、一人の老木地師の目を通して描きます。


■村地忠太郎(むらち・ちゅうたろう)
1917年、木曽郡木曽福島町(現・木曽町)生まれ。木地師。
中学校卒業後、先輩職人に弟子入りし、以来80年にわたり木地作り一筋。
宮内庁御用達の仕事も数多く手がける。
1990年に執り行われた「納采の儀(皇室の結納に当たる)」では、雅子さまが用いた三方(さんぽう=儀式用の木製台)を手作りした。
木曽町在住。95歳。
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