2026/06/24 長嶋さんと父の時代

4年前に他界した私の父は終生、巨人ファンでした。

就職で上京した後は大学の夜間部に通いながら、

休日は巨人軍多摩川グラウンドで練習を見るのが最高の楽しみだったと、

生前何度も聞かされたのを思い出します。

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私のおぼろげな記憶の中で、現役時代の長嶋さんは「モノクロ」、

監督時代は「カラー」という印象が何故か強くありまして......。

ミスターが現役を引退したのは1974年、私が9歳の時ですから

当時のテレビ画面越し(我が家には白黒テレビが1台あった)の

印象が重なっているのかもしれません。

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かくいう私はいつの頃からか近鉄ファン(もうチームはありませんが)、

父にとっては気にくわない息子だったかもしれません。

それでも、小さなテレビを囲んで家族で野球を見た遠い記憶が、

あの背番号3を見ると不思議と甦ります。

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長野市で開催中の「長嶋茂雄追悼展」を観ていて、ふと気づきました。

長嶋さんも、父も、他界した年齢がともに89歳であったということ。

(※写真:読売新聞社)

           ✤

●『長嶋茂雄追悼展 ミスタージャイアンツ 不滅の背番号3』

●ながの東急百貨店 本館5階 催事場

●~6月29日(月)まで

2026/04/29 「迷う」という贅沢

「木漏れ日の美術館」という呼称がしっくりくる新緑の中、

24回目の成人式は行われた。

上田市にある戦没画学生慰霊美術館「無言館」の成人式。

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県内外19人の新成人を前に窪島誠一郎・館主が贈った言葉は

「迷いなさい」だった。

「84歳のジイサン(=窪島さん自身)がいまだに

 自分は何だったのかと迷いながら生きている。

 だから迷っていい。おおいに迷いなさい」

           ✤

正解を求めたがる、答えを急ぎたがる若者が多い現代に、

思う存分「迷う」ことの贅沢を味わってみてはどうか。

私にはそんなふうに聞こえた。

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新成人を導いた司会は、7年前にここ無言館で成人を祝った

下村えりかさん(写真右)と、テレビ信州では新成人に一番近い

寺澤達哉アナウンサー・24歳。去年に続いてのコンビだ。

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先週、海外の旅から戻ったばかりという下村さんは

「私も色々迷ってます、この年齢にして」と屈託なく笑う。

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「迷うことは、自分と向き合うことなんです」

窪島さんの声が耳の奥に残っている。

 

2026/03/31 東大阪にて

年度末、溜まっていた休みを使って大阪を訪ねた。

前日にソメイヨシノの開花発表があったせいか、

淀屋橋、梅田、難波、通天閣、何処も圧倒的な人出だった。

そんな中、近鉄電車に乗り換えて郊外の住宅街を目指した。

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眼を射るように鮮やかな紅色のキワタが咲く東大阪市小阪の路地。

敬愛する故・司馬遼太郎さんの記念館を兼ねた自宅がある。

地下から天井まで高さ11m、壁三面を埋めた2万冊の本棚を見ると、

ああ、作家の頭の中はこんなだったのか、とも思う。

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小さな森のような庭からは、生前のままだという

司馬さんの書斎を窓越しに望むことができ、

窓外には菜の花と紫のツツジが花を開いていた。

この窓辺から世界を、日本を、歴史を俯瞰し続けた

ひとりの巨人がいたことを思いながら、私自身、

言葉を生業とする人間として初心に帰る旅でもあった。

            ✤

きょう3月31日、ひとつの区切りとなる定年退職の辞令を受けた。

あすからは再雇用社員。その形にこだわることなく、

言葉と社会に初心で向き合えたら、と思っている。

2026/03/13 さあ、4年目は?

「月に一度の山登り」と私は勝手に呼んでいる。

まあ実際に私が登っているわけではないのだが。

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「ゆうがたGet!every.」人気山登りシリーズ、

「金子貴俊のテッペン頂きます season3」のナレーション収録で

録音ブースに暫しこもった。

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寒の戻りで里もここ数日寒さが続いているが、

きのう辺り新雪が真っ白に見えていた山々は

どのくらい寒かったんだろうか?

来週3月16日(月)の放送で丸3年を終えることになる。

4月以降の「season4」はあるのか?乞うご期待である。

それにしても、こんな凄まじい表情をしながら

私は一体どんなナレーションを読んでいたんだっけ?

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★3月16日(月)ごご3:50~「ゆうがたGet!every.」

★放送終了後、TVerでの配信も始まります。

2026/03/11 朝、三陸を思う

けさの出勤前、妻のジャケットの襟もとには

丸い布製のブローチのようなものがあった。

「きょうは大槌刺し子を付けていこう」

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岩手県大槌町(おおつちちょう)は、妻が生まれ育った釜石市の

北隣に位置する三陸沿岸の町である。

そこで震災後の避難生活を送る住民に、針仕事を通じて希望を見出して欲しいと

5人のボランティアから始まったのが「大槌刺し子プロジェクト」だという。

ひと針ずつ丁寧に縫い付けられた模様が可愛らしい。

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いまも行方不明の2515人(※1日現在:警察庁集計)の中には、

妻の親戚も何人か含まれている。

あの日から15年。出勤していく妻を見送りながら、

今できることは何かと、あらためて問うてみる。

 

★「大槌刺し子プロジェクト」HP ⇒ https://sashiko.jp/

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